プログラミング初心者でも知識ゼロからはじめられるVBA入門講座の第3回です。
いままでにマクロとはなにか、VBAとはなにかを説明し、実際にどんなことができるのかをサンプル動画といっしょに紹介してきました。
過去の記事はこちらから
これから先はいよいよExcelを動かして実際に操作しながら学んでいきます。
まず今回はVBAをはじめるために準備しておくことを紹介します。
リボンに開発タブを表示させる
まずはExcelのリボンに「開発」タブを表示させます。
「開発」タブはデフォルトでは非表示になっていますが、VBAを使うときには便利なので表示させておきましょう。
まずはファイル→オプションから「リボンのユーザー設定」を選択してください。
リボンの上で右クリックして選択することもできます。
この画面の右側にある「メインタブ」の枠のなかの「開発」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
これでリボンのなかに「開発」タブが表示されるようになりました。
マクロのセキュリティ設定
次にマクロのセキュリティ設定を確認します。
さきほど表示させた「開発」タブのなかの「マクロのセキュリティ」をクリックしてください。
「マクロの設定」欄に4つの選択項目があります。
デフォルトでは「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」が選択されていると思います。
詳細は後日別の記事で紹介する予定ですが、いまの段階ではとりあえずデフォルト設定のままにしておいてください。
マクロのセキュリティ設定が必要な理由
ここではマクロのセキュリティ設定が必要な理由について、簡単に説明しておきます。
前回記事で紹介したようにマクロを使って外部のファイルにアクセスしたり、他のアプリケーションを操作することができます。また、Windows OSの機能を利用することもできます。
また、マクロを含んだファイルを開くと同時にマクロのプログラミングを実行させることも可能です。
このような機能は非常に便利なものですが、世の中にはこういった機能を悪用してウィルスを作成する人がいます。(マクロウィルスと呼ばれます)
例えば「ファイルを開くと同時に、ユーザーのコンピュータに危害を与えるようなプログラムを実行するマクロを含んだファイルを、電子メールに添付して不特定多数の人に送信する」といった方法です。
「あやしいメールの添付ファイルを開いてはいけない」とよく言われますね
Windowsが広く世間に普及しはじめてから、WordやExcelを使ったマクロウィルスが広まりました。
それに対してMicrosoft社が行った対策のひとつがこのマクロのセキュリティ設定です。
デフォルト設定ではどうなるか
デフォルトの設定(警告を表示してすべてのマクロを無効にする)では、マクロを含んだブックをはじめて開いたときに、一旦マクロを無効にしてから次のような警告を表示させます。
ここで「コンテンツの有効化」を選択するとマクロが有効になります。また、このブックが「信頼されたドキュメント」として登録され、次回以降は最初からマクロが有効な状態で開かれます。
ただし、ファイル名や保管場所が変更されると再びマクロが無効な状態で開き、警告が表示されます。
このように、デフォルト設定ではマクロを含んだブックをはじめて開いたときには一旦マクロが無効となるため、マクロウィルスに感染するリスクが下がります。
デフォルト設定はMicrosoft社がビギナーユーザーに対して推奨している設定です。
他の設定に変更するのは、VBAを勉強してマクロに対する知見を深めてから、必要に応じて検討するようにしましょう。
VBEの起動
VBEとはVisual Basic Editor の略で、VBAを記載するためのエディタ(編集ソフト)です。
第1回講座のおさらいを兼ねて整理すると
・マクロ:アプリケーションの操作を自動化する機能
・VBA :マクロを記述するプログラミング言語
・VBE :VBAを記載/編集するためのエディタ
VBEを起動するには「開発」タブの「Visual Basic」をクリックします。
または、ショートカットキーのAlt + F11 でも起動します。
VBAを使うようになると頻繁にVBEを起動することになります。
Alt + F11 のショートカットキーを覚えてしまうと便利ですよ。
VBEを起動させたらメニューバーの「挿入」から「標準モジュール」をクリックしてください。
このような画面になったと思います。
それぞれの名称は次のとおりです。
①プロジェクトエクスプローラー
プロジェクト(ブックのことです)内のモジュール(マクロを記載するエリア)をツリー形式で表示します。
②プロパティウィンドウ
オブジェクトのプロパティを参照します。
③コードウィンドウ
プログラムを記述する場所です。
このなかの③コードウィンドウにコードを書いていくことになります。
モジュール、オブジェクト、プロパティといった用語については後日説明します。いまの段階では理解できなくても構いません。
VBEを終了するには、ファイル→「終了してMicrosoft Excel に戻る」を選択するか、右上の「×」をクリック、もしくはExcelブックを終了すると同時にVBEも終了します。
以上がVBAをはじめるための準備となります。
では、次回からは実際にコードを書いてVBAを体験していきましょう。
コメント